PFI事業の公共事業・サービスの市場ニーズ


日経産業消費研究所の調査(注1)によれば、都道府県と政令指定都市を対象としてPFIの意向調査を実施したところ、北海道や岐阜県など12自治体が「今後導入を検討する」と回答、さらに全体の80%近くがPFI導入を将来の選択肢として考えているということがわかった。

プロジェクトファイナンスを実施する側の金融機関も都市銀行を中心に事業化の検討を進めており、すでに政府や地方自治体に対してプレゼンテーションや情報提供を始めている。(注2)

日本のPFI導入は、従来型の公的事業・サービスを改善していくうえで有効であると考えられる。
少なくとも、民間企業は市場ニーズが認められず魅力のない事業・サービスであれば、乗り出さないであろうし、住民の要望がない事業・サービスは政府・地方自治体としても選定できないであろう。
これまでにない「市場原理」が働くようになり、非効率的と考えられる事業・サービスは改善されることになる。

また、地域振興施策の観点からみれば、これまでは、公共工事や大企業の工場を受け入れても、付加価値の低い労働力の提供を要請されるだけであることが多かったが、PFIの導入により安定収益をあげる事業実施会社が地域に設立されれば、付加価値の高い雇用創出も可能となろう。

(注1) 日本経済新聞(平成10年8月3日)
(注2) 日刊工業新聞(平成10年7月31日)