英国が生み出した、財政再建の切り札PFI事業


PFIは、公的部門が実施している社会資本の整備を始めとする公的サービスの提供を民間に委ねる手法の総称である。

従来型の公共事業は、道路や施設の建設だけを民間企業に 発注し、管理・運営は政府や自治体が担当するが、PFIでは資金調達から建設・管理・運営 までの官民の役割やリスク分担を最初に定め、その契約に基づいて実施される。

財政赤字を抱え「小さな政府」を目指す英国で92年に本格的に始まった。
変わりつつある公共事業の概念


一般に、社会資本整備は、その公共性のため、道路や港湾(ハードインフラ)などのように公的部門を中心に行われてきている。

つまり、社会資本の生み出す財・サービスの特徴と して、供給を市場原理に委ねると社会的な需要量に比較して不足したり、供給が不安定に なるなど効率的な資源配分ができないと考えられたため、社会資本の資金調達、所有、管 理・運営は公的部門が先導して行われてきた。

しかし、教育・福祉・医療・防災等の生活系 インフラ(ソフトインフラ)は先進国に比べ立ち遅れ、今後は地方自治体レベルでの生活系 インフラの整備が必要であるとともに、世界的に民営化と規制緩和が進み、財政面からの予 算圧縮圧力が強まり、現在では技術の進展や経済的・社会的条件の変化によって安定的に供給可能となった公共サービスでは、公的部門が独占的に運営する必然性がなくなってきた。