自転車利用者の視点から

地域コミュニティ・自転車利用者の視点から

駅前等に自転車を駐輪している自転車利用者の声を聞くと、大半の方が放置自転車を良しとしておらず、やむを得ず駐めてしまっているという結果が出てきます。そのほとんどの方が、「必要最小限の負担であれば、目的の場所に近い所に自転車駐車場があればそれを利用する」というご回答をいただいています。モラルの面もありますが、自転車利用者も迷惑駐輪・放置自転車を課題として認識している様子が伺えます。

自転車利用の抑制と受益者負担の観点から、お買い物客・一時利用者向けの設備と位置付け、自転車駐車場は原則として初期2時間程度の無料時間の設定とその時間経過後の有料化を推進します。それにより、商店街等にも十分なメリットがあり、通勤・通学者向けの既存の登録制自転車駐車場の利用促進と設備の有効活用が期待できます。

事前の現地調査を踏まえ、当該地区内に勤務されている方及び当該地区内に乗り入れされる一般利用者等、一人でも多くの方々に広く利用していただくために、対象は事前登録者に限らず当日利用の一般の方向けに解放し、駐輪して初期2時間を無料、その後一定時間毎に100円ずつ課金する従量制としたいと考えます。当該手法により、安心してお買い物等を行っていただける環境の整備と、特定の利用者がスペースをごく一部の方が占拠することを抑制し、公平に利用していただくことにつながります。不特定多数者向け(当日利用)の自転車駐車場を整備・サービスを提供します。そして、地域コミュニティと連携し、顧客サービス・販促ツールとして顧客を囲い込む手段としていただくなど、駐輪サービスを積極的に活用していただけるよう様々なキャンペーンを共同で企画・実施します。

「事業性(採算性)」については、当然のことながら、この歩道自転車駐車場整備事業のモデルケースが全国に広まるためには実施者(事業者)の収支が合う(黒字化する)必要があります。公共事業といえども採算性のない(赤字の)状態が続くといずれ事業破綻(デフォルト)に至ってしまうため、PFIではこの事業性は最も重要な考え方となります。この点は、電磁ロック式というITシステムの恩恵もあり、公平性の面でも大原則といえる受益者負担を前提としたビジネスモデルとすることで、従来利用者が感じられていた料金収受面の不満すら軽減できるスキームとなります。

「成果主義」については、この事業は非常に大きな可能性を秘めており、自治体が指定する放置自転車禁止区域内の歩道に駐輪機を設置するため、当該駐輪機に自転車を駐めた利用者は撤去される心配がなくなり、自治体は放置自転車の一掃に繋がります。当該歩道駐輪場の整備の進捗・状況に合わせて、自治体による規制と放置自転車の撤去の強化を行うことで両者の相乗効果を図り、それに見合った需要に誘導をするなど、他の交通手段と均衡の取れた利用を図りながら自転車の適正利用を推進します。

設備は、最新式の電磁ロック式駐輪機システム(電磁ロック式駐輪機×台数分、自動精算機(駐輪機30から100台あたり1台の割合)、オンライン管理システム×1式)とし、幅広いサービス内容設定と利用者が気兼ねなくいつでも利用できるものとします。利用動向等を中央で集計できるため、データを分析し利用者の傾向を常時入手することが可能であり、対策・対応も迅速に行えます。

整備する地域に合わせ、ロック方式(無料時間帯についてもロックし、暗証番号などを登録可能としたセキュリティ対策タイプ)、フリーロック方式(無料時間帯についてはロックを行わず、利用者が自由に自転車の出し入れができるタイプ)などを用意します。